# GridDBとは?

GridDB はIoT とビッグデータに最適な高い拡張性をもつ時系列データベースです。

様々なモノが相互につながる IoT(Internet of Things)。そこで生成される膨大な量のデータを把握・分 析し、リアルタイムに活用することができれば、新しい価値を持つビジネスや社会、生活の創造につながります。

製品やサービス、業務プロセスの改善・拡張につながるこれらのデータを、企業が効果的に活用するためには、 膨大かつ高頻度に発生する多種多様なデータ(煩雑なビッグデータ)を効率的に扱うための新しいアプローチが 必要になります。

GridDB は、多くの企業が直面するこれらの課題に応える、東芝が提供する新しいコンセプトとテクノロジーのス ケールアウト型 NoSQL データベースです。GridDB は、IoT に適したデータ格納モデルをはじめ、高い性能、 高い拡張性、高い信頼性と可用性を提供します。

GridDB の4つの特徴

  1. IoT 指向モデル
  2. 高い性能(パフォーマンス)
  3. 高い拡張性(スケーラビリティ)
  4. 高い信頼性と可用性(リライアビリティとアベイラビリティ)

# IoT 指向モデル

GridDB のキー・コンテナ型データモデルは、NoSQL の代表的なモデルであるキー・バリュー型を拡張したもので、キーによって参照されるレコードの集合体でデータを表現しています。キーとコンテナの関係は、RDB(Relational Database)のテーブル名とテーブルの関係に相当します。RDB と同様の感覚でスキーマ定義やデータ設計ができるため、他の NoSQL 型データベースに比べデータモデリングが容易です。

キー・コンテナ型モデルは、Java/C APIs によってデータへの高速なアクセスを可能にします。GridDB のデータ は、SQL と類似したクエリ言語である TQL によっても照会されます。WHERE 句を用いた基本的な検索や、 索引による条件付き検索を高速に処理できることが、高速な検索を必要とするアプリケーションに対して大きな 効果を発揮します。また、アプリケーションから複数のレコードをまとめたトランザクション処理を行えます。 GridDB のトランザクションは、コンテナ単位で ACID(Atomicity、Consistency、Isolation、and Durability)を保証しています。

GridDB の2つの主要なコンテナタイプ:一般用途のための「コレクションコンテナ」と、時系列データ管理のた めの「時系列コンテナ」

containers

時系列コンテナは、IoT において発生するタイムスタンプに関連付けられたデータの管理に適しています。 GridDB は以下のような様々な時系列データ処理をサポートします。

  • 増え続ける時系列データに対するデータ圧縮機能:メモリ使用量を大幅に抑えます
  • 無効もしくは不要となったデータを自動削除する機能
  • 時系列データのアグリゲーション(集約)機能やサンプリング機能

# 高い性能

高いパフォーマンスを引きだす、インメモリ指向型のアーキテクチャ

従来の DBMS では I/O がボトルネックとなり、CPU が十分な性能を発揮できていませんでした。GridDB は 「メモリが主、ストレージが従」という構造で、頻繁にアクセスされる主要なデータをメモリに格納し、それ以外をデ ィスク(SSD や HDD)に渡すことでこのボトルネックを克服しました。GridDB は、以下により高いパフォーマン スを実現しています:

可能な限りメモリ上で処理をする – GridDB は大量のデータを処理するために、できるだけ同じブロックに‘主要’ なデータを配置して、アプリケーションがアクセスを必要とするデータを局所化します。アプリケーションのアクセスパ ターンやアクセス頻度に応じてメモリ集約のヒントを設定することで、メモリ領域を有効活用し、メモリのミスヒット を減らします。

オーバーヘッドを減らす – ロックや同期に起因して、マルチスレッド処理では操作や通信のオーバーヘッドが発生 します。GridDB は、それぞれの CPU コア/スレッドへ、占有するメモリと DB ファイルを割り当てることによって、 オーバーヘッドを排除します。その結果、実行時間が短縮され、より高いパフォーマンスを実現しています。

並列に処理する – GridDB は、ノード内、ノード間で並列に処理することで高速化を実現しています。ノード 間の並列処理は、大きなデータセットを複数ノードに分散配置することによって行われます(パーティショニング)。 イベント駆動型の処理エンジンにより、リソースの消費量を抑えつつも複数のリクエストを並列処理することが可 能になります。

# 高い拡張性 商用版のみ

GridDB は、コモディティハードウェアでも優れた性能を発揮し、高い拡張性を確保

従来の RDBMS はスケールアップ型アーキテクチャ(既存のサーバー/ノードに容量を追加していくアーキテク チャ)で構築されています。RDBMS はトランザクションとデータの一貫性に優れます。一方 NoSQL データベ ースはスケールアウト型アーキテクチャ(容量の小さな多数のノードで大きなクラスタを構成するアーキテクチャ) で構築され、トランザクションとデータの一貫性に乏しいと言えます。

GridDB は、コモディティハードウェアを用いながらも、パフォーマンスを維持しつつスケールアウトします。他のスケ ールアウト型 NoSQL データベースとは異なり、GridDB はコンテナ単位でデータの一貫性を強固に維持し、 RDB と同様の ACID トランザクションの信頼性を保証しています。GridDB 独自のアルゴリズムにより、サービ スや作業を停止させることなく、オンラインでノードを追加できます。GridDB は、膨大なデータ処理にスケールア ウト型データベースを利用したいが、データの一貫性も維持したいというニーズに、トレードオフのないメリットを提 供します。

# 高い信頼性 商用版のみ

ミッションクリティカルなアプリケーションに最適な、GridDB のハイブリッド型クラスタ管理と高い耐障害システム

ネットワークパーティション、ノードの障害、一貫性の維持は、データが複数のノードに分配される場合に考慮し なければならない重要な問題です。一般的に分散システムは、マスタースレーブ型もしくはピアツーピア型のアー キテクチャを採用しています。マスタースレーブ型はデータの一貫性の維持が容易な反面、単一障害点 (SPOF:Single Point of Failure)を回避するために、マスタノードを冗長化する必要があります。ピアツ ーピア型は単一障害点を回避したとしても、ノード間の通信オーバーヘッドという大きな問題を抱えています。

GridDB の自律制御クラスタ構成は、マスタースレーブ型とピアツーピア型双方の欠点を克服し、また利点を合 わせ持ちます。GridDB のアルゴリズムはピア間で自動的にマスタノードを決定します、そしてマスタノードに障害 が発生した場合は、処理を損なうことなく継続し、新たなマスタを自動で直ちに指定します。GridDB 独自のア ルゴリズムにより、ネットワーク障害中のクラスタ分割が原因で発生する分散コンピューティングの典型的な問題 であるスプリットブレインを回避しています。また GridDB は、アプリケーションの可用性の要求を確保する、様々 なレベルのレプリケーション機能を用意しています。

これまで紹介してきたとおり、IoT/ビッグデータの分野において、GridDB は他のリレーショナル型データベース や NoSQL 型データベースにはない特色を備えています。GridDB の性能を活かし、様々な業界で IoT プロ ジェクトの成功が実現しています。